投稿日:2006-11-17 Fri
去る11月8日、ジャン=マルク・ルイサダのリサイタルを聴きに、紀尾井ホールに行ってきました。ルイサダはフランスのピアニスト。
ブーニンが優勝したときのショパンコンクールで5位に入賞したことをきっかけに世界的に知られるようになりました。この春、NHK教育の「スーパーピアノレッスン」で、かなーりファンキーな先生っぷりを披露したもじゃもじゃ頭の人、といえば分かりますかねw
5年ほど前、リサイクルブック店で何気なく買ったショパンの名曲集。これが私とルイサダのなれそめでした。これは、ブーニンの演奏が7曲、ガヴリーロフ4曲、ルイサダ3曲というとりあわせのお買い得CDで、最初は何の気なしに聴いていたのですが、プレーヤーでランダム再生していて、どうしても耳に残る演奏がある。それがルイサダの演奏するワルツ3曲でした。3拍子が実に優雅で洒落のめしていて、なんというかものすごく「粋」。それ以来、私にとってもっとも気になるピアニストのひとりでした。つくばコンサートで呼べれば、と思って会議で名前を出したこともありました。
このピアニストには熱心なファンの方がいらっしゃり、ファンサイトを開設しておられます。
ルイサダファンのページ:
http://www.luisadafan.com/
で、たまに覗いていたのですが、ある日ひさしぶりに覗いたら来日予告が!!
さっそくチケットを購入。
この日を、首を長くして待っておりました。
プログラムは以下の通り。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調Op.13≪悲愴≫
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
《インビテーショントゥザダンス》
チャイコフスキー:サロン風マズルカ
ハプサールの思い出より無言歌 ヘ長調Op.2-3
グラナドス :ロマンティックな情景よりマズルカ
スペイン舞曲集より“祈り”Op.37-5
ウェーバー :舞踏への勧誘-華麗なロンド 変ニ長調 Op.65
プーランク :ワルツ ハ長調
バルトーク :ルーマニア歌曲 第1番 Op.8-a
ショパン:ワルツ 第2番 変イ長調Op.34-1≪華麗なる円舞曲≫
ワルツ 第3番 イ短調 Op.34-2
ワルツ 第4番 ヘ長調 Op.34-3≪華麗なる円舞曲≫
実際には、冒頭のベートーヴェンの前になにかアダージョの小曲が付き、そのまま悲愴に入るという仕掛けになっておりました(あれは何という曲だったのだろう?)。
アンコールは
ショパン:ノクターン第20番 遺作
スケルツォ第2番 変ロ短調
モーツァルト:ピアノソナタ変ロ長調k.570より第2楽章
率直な感想を言います。
まず、前半はあまり楽しめなかったです。
とくにベートーヴェンはルイサダとはほとんど合ってないという気がしました。第2楽章に優美さはあったものの、その他はう〜ん。また、ピアノの状態がひどかった。高音部は固く、金属的な音だし音程は合ってないし、強く弾くとガシャガシャ異音が聞こえます。彼はヤマハの契約アーチストと言うことで、今回のツアーはヤマハのフルグランドと調律師が帯同するということらしいですが、こんな状態では宣伝にならないよ、という感じ。紀尾井のスタインウェイはいい音するんですけどね。
後半は、上記のようななれそめから私が楽しみにしていたプログラム。
これはさすがでしたね。やはり、彼のよさは舞曲におけるリズム感にある。それは単にリズミカルであるとか、テンポ設定がよいというだけではなく、その切り替えがしなやかで、自由な設定でありながら間延びせずどんどん人を引き込んでゆく。優雅なゆらぎの魅惑に満ちた演奏でした。それを、まったくインターバルをおかずに弾くことによって、ひとつの大きなうねりが心に残りました。また聴きたいですね。
ピアノの状態は休憩中の調整でややおちついたのか、前半ほどイライラしないで聴けました。しかしアンコール時にはまた音が緩んでた気がしたなあ。。。会場の雰囲気も、ちょっとマナーの悪い人が多かったように思います。ずーっと携帯みてる人がいた(会場が暗いのでオレンジ色の光が手元で付いている)のと、子供が飴の包みをかしゃかしゃさせていたりとか、演奏会慣れしてない人もいるように思いました。
終演後のサイン会は大変な長蛇の列で、最後は10時過ぎになったとか。私もCDにサインをしてもらい、握手しましたが、その手の柔らかさにびっくりしました。肉が軟らかいだけでなく、骨格まで含めた柔らかさがあるというか、可動域広そうというか。彼の演奏のしなやかさの由来の一端を知ったような気がしました。
「ルイサダファンのページ」主催者の♪さん(ルイサダのピアノのお弟子さんとのことです)に感謝!
今月は2日にウィーン交響楽団のマーラー1番を聴き、このあとは23日につくばコンサートでボストリッジを聴き、24日にサンクトペテルブルグフィルのショスタコーヴィチを聴く予定です。
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これで当ダイコクブログ。の記事が100本になりました。
「ブンガク・オンガク・ケンケンガクガク(誤用語彙)」の精神でこれからわーわーやっていこうと思うとります。
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