投稿日:2006-08-30 Wed
帰ってきました。玉里の喜元門にふられ(「スープの出来が不満なので臨時休業」みたいな看板が出てた。競輪じゃないだろうな(怒))、大慌てでいにしやへ向かい魚介だししょうゆラーメンを食べましたが、値段ほどには魚介の風味が立っておらず、無印といえよう。
…ってそんなことを言う流れじゃないなこれはw
講義前に担任の先生と話していましたら、「こんなのがありますよ」と、ある教科書をもってきてくれました。それに疼痛の問診票やフェイススケールがあったので、そんなのを印刷してもらってみながらやっていきました。
こんなの。

実践例としては、「○○が□□痛い」という例文を作ることから始めました。
○○はある程度限定しないといけないので、「頭」と「お腹」のふたつ。
「割れるように」とか「じんじん」とか「しくしく」とか「きりきり」とか答えが出ますから、それを答えさせながら、「「お腹がきりきり痛い」というときはどんな症状だと思う?」なんて問答して遊ぶわけです。
次は、「タンスの角に足の小指をぶつけた時の痛みを表現する言葉」というのを考えさせました。
意外にいろんな言葉が出ますね。で、時間の経過にしたがってその形容が変わっていく順序を考え、最後に上記の意識を生かして「痛かった経験」について書く短作文を書いておしまい、という感じです。
白頭庵さんの区分によれば、今日の私の講義は「共感的な言語的コミュニケーションを行うためのスキルを身に付けるという課題」の動機付けくらいの意味があったかもしれません。今日配ったプリントには「文化的差異」という項目があり、「東洋人はラテン系の人に比べて、一般的に痛みをあからさまに表現しない。民族によって、痛みの表現が異なるので注意する。」なんてことが書かれています。なぜに「ラテン系」?やっぱなあ。。。
ともあれ、私たちは他者の感覚を正確な意味では共有することができないわけですが、そのコミュニケーション不能状況のはざまを辛うじて類推(想像)してつないでいくのが言葉なんですね、というあたりを実感してもらえれば、という感じの講義でした。
読書感想文の方、圧倒的に多かったのは「博士の愛した数式」でした。
博士は高次脳機能障害ということになりますが、高次脳機能障害なんて疑似体験は不可能でしょう。だとすれば、私たちに要求されることは、彼らの体験を語る言葉によく耳を傾け、なんとかその状況を理解し、想像し、必要なことはなにかを考えることだと思います。彼らにはそういう「共感」と、共感に裏付けられた判断を身に付けて欲しいものです。
一方、いまの制度では高次脳機能障害を抱える患者に対して障害者認定がなされない現実がある。行政の側の共感と想像のスキルは、そうとう低いように思われます。なんだかむなしいな。
担任の先生は「夏休みの間に新聞を読み、医療関係の記事をスクラップして関心をもった内容をレポートする」という課題を出したそうです。しかし、新聞はどうしても事件にならないと記事にならないから、こんなに問題が多い領域なのに一ヶ月程度ではめぼしい記事がない、とこぼしておられました。新聞の限界といってしまえばそれまでですが、ひょっとするとそういうところに「想像力の養われない状況」があるのかもしれないな、なんて思いました。
投稿日:2006-08-30 Wed
明日より、看護学校の講義がはじまります。看護学校のカリキュラムはハードです。大学の看護学科ならば4年かけてやる内容を3年で習い覚えなければならないことに加え、ここの学校は先生方が教育熱心で、学生は気を抜けない日々を過ごしています。
夏休み前、私は7月の第1週で講義を終えましたが、空いた時間に集中講義が入り、7月の最終週までみっちり時間割が埋まっていたようです。そんな時間割をみて私は「夏休みくらいせいせいと羽を伸ばさせてあげよう」と思っていました。すなわち、宿題を出さないつもりでいたのです。宿題を出すということは、それを読まなければならないということで、私自身の宿題でもあります。それはめんどくさいなあ、おたがいに夏は楽しめばいいじゃん、な〜んて軽く考えていたんですが。
しかし6月の最終週、講義終了後に担任の先生(この学校はダブル担任制を取っていて、かわりばんこに私の相手をしてくれる)と話をしていたときのこと。
キン「ここの学校は7月末までみっちり授業が詰まっていて学生も大変ですね。
だから夏休みは…」
担任「夏の間に学生には命や病についての文学に触れさせたいんですよ。
そうだ先生、学生には読書感想文の宿題を出してください。」
キン「はぁ。」
担任「夏休みに遊ぶ暇を与えちゃいけませんからね。」
キン「…。」
というわけで、読書感想文を出す羽目になってしまいました。
すみません、私、看護学校なめてました。
しかし、命や病について感想文といっても、私自身はこれまであまりそういうまなざしで本を選んで読んできた試しがないので、困りました。そこでPTであるところのキン妻や、mixiの知友の知恵を拝借して、次の10作品を選びました。
○堀辰雄「風立ちぬ」
○遠藤周作「海と毒薬」(「沈黙」といってしまったかもしれない(^_^;) )
○嶽本野ばら「鱗姫」
○北條民雄「いのちの初夜」
○井伏鱒二「黒い雨」
○小川洋子「博士の愛した数式」
○大島みち子・河野実「愛と死をみつめて」
○池澤夏樹「スティル・ライフ」(ガメラさん推奨)
○大江健三郎「個人的な体験」(RYOさん推奨)
○南木佳士「ダイヤモンドダスト」(後輩のdameちゃん推奨)
そのほかにも複数の方からアドバイス頂きました。ありがとうございました。
選定の基準は、
(1)病や死、あるいは医療と関係が深い。
(2)ある程度以上の長さがある。
(3)文庫本で入手可能。
といったところ。
とくに(3)はけっこう大事です。なにしろ片田舎なので…。
10作品選ぶのはしんどいといえばしんどい作業でしたが、学生も十人十色ということで、関心や好みに合う作品を選んでもらえれば、というところ。それに、感想文の書かなかった他の作品も読んでくれればなあと。できればちょっとした空き時間に本を開く習慣づけになってくれるんじゃないか、なんて期待しちゃいますね。
明日はその感想文を回収します。
この学校は提出物がある場合、当日朝の決まった時間までに級長に提出することが決まりで、遅れた学生は名簿に提出時間が記入されます。人の命を預かる大事な責任を負う立場を目指すわけですから、場合によっては一分一秒が生死を分ける場合もある。そんな心構えを根付かせようとする教育だとか。大変に厳しいというか、教官・学生ともにルーズな大学の環境に慣れきっていると深く反省の念を催します。反省。
明日の講義は、痛みに関する形容を思いつくかぎり書いて、その使い分けを考えたり、病気に関するエッセイを読んだりしてこようと思ってます。ひるめしは快腸さんおすすめのラーメンかな。
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