投稿日:2006-06-11 Sun
「就職バブル再来」ともささやかれる今日この頃ではありますが、そんな追い風はどこ吹く風、「氷河期時代」に大学院を修了した私なんぞ、負け組街道驀進中であります。しかし、そんな私にも音楽に癒される贅沢だけは許されておりましょう。
芸術に身を浸す喜びに「格差社会」があってはなりません。
そこでこの「負け組クラシック」では、安くてよいクラシックCDを紹介してゆきたいと思います。貧者の一灯。
ここで紹介するCDは基本的に輸入盤、それも複数枚のセットものです。
CDは内外価格差が激しく、国内盤1枚の値段で廉価レーベルの輸入盤が5枚買えるなんてことはざらです。だとしたら、安い輸入盤をたくさん買い、いろんな曲を安く楽しむ方がいいと思いませんか?そこが貧者の一灯を称するゆえんです。
まず第一回は
「ベートーヴェン交響曲全集」。
ピアニストの内田光子さんはベートーヴェンを次のように評しています。
ベートーヴェンは、いつも天を見ていた人なの。
泥の中を這い回っているようなときでも、天を見ようとしていた人なの。
(中野雄氏の著作による)
…う〜ん、深い。
ベートーヴェンこそ、「負け組クラシック」の第一回にふさわしい。
さて、私のお薦めCDは、ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏による全集です。
レーベルはブリリアントクラシックス。自社録音やライセンスを受けた他社録音によるセットものを主力商品とするレーベルです。このレーベルのもうひとつの特徴は、なにしろ安い。ということが掲げられます。一枚平均400円程度という値段は、まさに負け組クラシック。ベートーヴェン交響曲全集は5枚組なので、輸入盤店で2000円以下で入手できます。私は1390円で買った記憶があります。国内生産のCD一枚以下。廉価盤でも1枚の値段で全集がもてます。一番安いのは新橋駅烏森口のキムラヤ3Fかな。
ブロムシュテット指揮ドレスデンシュターツカペレの演奏は、ひとことで言って「中庸」。高い水準で、地に足の着いたベートーヴェンを楽しむことができます。ピリオド・アプローチと呼ばれる、古楽器奏法を現代オーケストラに導入する流行が生じる以前の演奏なので、オールドスタイルといえますが、この一組としてはオーソドックスでよいんじゃないでしょうか。
とくによいのが第7番。どっしりした音と推進力で、じわりと汗がにじむ演奏です。私としては、世評高いカルロス・クライバーの演奏より好きですね。全集としても、各曲の水準がそろっており、値段も考えて一押しです。
「俺、負け組じゃないもんね」という小金持ちな御仁にはギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送響の全集をお薦めします。これだといま5000円前後。ヴァントは厳格で考え抜かれたテンポ設定と、各楽器の音量バランスを丁寧に吟味することで美しい響きを生み出すミキサーの能力に長けた指揮者であったと思います。とくに第6番「田園」の美しさは比類がないといえよう。です。
その他、値段の点ではノリントン指揮ロンドン・クラシカルプレーヤーズの全集(virgin)は古楽オケを使った快速演奏として、セカンドチョイスにはいいんじゃないかな。現代楽器のオーケストラを使って古楽奏法を取り入れた、いわゆる「ピリオド・アプローチ」の全集としてはジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレの全集があります。どちらも私は2000円台で買いました。
昨日はつくばコンサートの定例会。
来年度の招聘演奏者について、カンカンガクガクやってきました。
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