投稿日:2006-05-12 Fri
毎週金曜日はCG大とBK大をハシゴ。国道6号線をおにぎり片手に運転。今日は、BK大で地図を使った講義をやってきました。
この講義の目的は以下の3点ほどです。
(1)言葉の特徴である「線条性」を理解し、その特徴をふまえた表現を心懸ける。
(2)自分が表現することに関して「相手は何も知らない」ことを前提にする。
(3)説明する時、あるいは執筆時に目安を設定する。
まず、事務室で柏市の市街地図を借り、市内主要部と駅前の拡大図を両面コピーしたものを学生に配布します。そして、BK大の位置を探させ、ラインマーカーを引かせます。
次に、名簿をみて適当に指名し、その位置がどこにあるかを説明させます。
BK大は見た目的には強がった感じの学生が多いのですが、こんなときにはみんなけっこう律儀です。「え〜っと、地図の真ん中へんをみてください。そこから段々上に行ってください。途中にあります。」みたいな感じで元気がいいです。何人か指していくと、前の人の解答を聞いてアレンジしてゆくため、徐々に精度が上がっていきます。
そこで私は模範解答を示します。
「(地図を指さし)ここです。」と。
みんな笑いますね。「先生、ずるい」という声もあがります。
そこで「言葉で説明をする」ときの特徴と注意点を話します。だいたいこんな感じ。
地図で指を指す行為は、2次元で表されたものを「点」で示す行為です。一方、同じ場所を言葉で説明するためには、柏駅なり、地図のど真ん中なりといった起点を決め、そこから「線」でたどっていく必要があります。
言葉には「線条性」と呼ばれる特徴があります。言葉は時間という一次元の線に乗って語られ、読まれるものです。「スティング」という映画には、モールス信号で送られてきた情報をアナウンサーが読み上げていくことで競馬中継がなされていますが、これと同じことは、携帯電話で友だちに道を知らせる際には頻繁に体験できます。このトレーニングを通じて、この「線条性」を自覚し、その特徴と限界を知ってほしいわけです。
そのあと、いくつかのポイントを言葉で説明するトレーニングをしたあとで、原稿用紙を使って次の課題を出します。
「柏駅の中央改札にいる人に、Bk大まで歩いてきてもらうための説明文をできるだけ200字に近づけて書きなさい」
柏駅からだと、さんさん通りという道を使えばBK大までは一本道なのですが、駅の改札が2階にあり、広場から怪談を使って降りなければならないため、さんさん通りを説明するのにはちょっと工夫が必要です。なかには、あえてそのルートを避け、もうすこし分かりやすい大通りから一回左折するルートを選択する学生もいます。
また、一本道とはいえ、徒歩20分ほどの道のりは、初めてそこを歩く人を不安にさせます。それを防ぐためには途中で目印になる店や看板を記しておく必要がありますし、どのくらいの距離(ないし時間)を歩くのかという情報も必要です。ゴールが見えたりして目安ができると安心しますからね。
これは、文章表現の際には「相手は何も知らない」ことが前提になるということを覚えてもらうためです。自分は毎日通っているから知っている道でも、他の人は全く知らないかも知れない。それは、自分の考えを人に伝える時に頻繁に起こることです。
200字に近づけるというのは、人に道順を説明する時だけではなく、自分が文章を書く時にも目安となる目印が必要だ、ということを覚えてもらうためです。自分で200字をいくつかの段落に割り、第1段落でさんさん通りに降りるまで、とか、第2段落で匂いの臭いラーメン屋の前を通り過ぎるようにするとか(ものすごいトンコツ臭のするラーメン屋が途中にあるのです。私は匂いに怯えて入ったことがないのですが、白頭庵氏は食べたとか)、そうやって目安を作ることで、文章が書きやすくなり、バランスのとれた作文になります。
書き上げた学生が私に手渡しながらこんなことを言いました。
「書いていて最初はぶっきらぼうに「下へ降りろ」とか書いてたんだけど、後半になって「5分くらい進め」とか「○○の看板を右手にみながらさらに進め」とか書くようになった。そうしたらちょっと自分の文章が「わかりやすいんじゃね〜の!?」って思ったよ」
キンキン、心の中で小さくガッツポーズ。
講義が終わったら、ある学生が「先生、「裏カシ」ってしってる?」といって可愛らしい地図を持ってきてくれました。イラストで描かれた柏のタウンマップです。城西大学インターンシップスタッフ取材、かしわインフォーメーションセンター制作のフリーマップです。掲載各店においてあるようです。後期はこれ取り寄せて使おうかな。
ちなみにかしわインフォーメーションセンターのurl。
http://www.86kashiwa.net/
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