投稿日:2007-06-04 Mon
先日、リンク先の「人生の黄昏」を読みに行ったら、いきなり本文でy-burnさんのご指名を受けました。http://yburn.13.dtiblog.com/blog-entry-352.html
一般的に「マネージャー」と呼ばれているのに、なぜ厚生労働省は「ケアマネジャー」と表記するのか、という疑問です。英和辞典を見ますと、「maneger」の単語は「a」の部分にアクセントがあるので、このように表記しているようでした。それにしても「マネージャー」という言葉にある甘酸っぱい汗の匂いは稀薄になっちゃったようで寂しいと思うのは私がおっさん化している証でしょうか。
ところで、「ケアマネジャー」ってなんで「ケアマネジャー」って呼ばれるんでしょう。しかも英和辞典を引くと和製英語であるようです。正式名称は「介護支援専門員」ですね。ケアマネさんの仕事は高齢者福祉なので、お年寄りにわかりやすい日本語表現がもっと全面に出る必要があるんじゃないかな、と思うのであります。
こういう外来語の日本語訳について検討しているのが国立国語研究所です。
国立国語研究所は昨年「「外来語」言い換え提案」をまとめました。
http://www.kokken.go.jp/public/gairaigo/
提案の総集編をまとめたページ。
http://www.kokken.go.jp/public/gairaigo/Teian1_4/index.html
まとめはPDFで入手できます。上のページの「冊子版」の箇所をクリック!
そうしてみますと、ちゃんと載ってました。
■ケアマネジネント→在宅介護支援
まあ、やっぱそうなりますね。
医療福祉にかぎらず、最近は外来語のオンパレードです。映画のタイトルなんかも原題カタカナ化が多いです。
最近は政治家まで「ガバナンス」だの「コンプライアンス」だの「リスクヘッジ」だの経営学から来たと思われる外来語を使いたがります。首相に至っては「レジーム」なぞという言葉まで振りかざしています。
行政に携わる人はできるだけ易しい日本語を使うことが大事かな、と感じます。「レジーム」に至るや、危ない内容をほっかむりするためにカタカナ並べ立てているような気がしてなりません。
ちなみに、さきほどのPDFの言い換え語集に、「ガバナンス」と「コンプライアンス」は載っていますが、「レジーム」はありません。
う〜ん、こっちの匂いはきな臭い(苦笑
投稿日:2007-06-02 Sat
ダイコクブログ。ではこれまで敬語について何回か記してきました。■敬語をまなぶ/おしえる
http://daikokukinkin.blog59.fc2.com/blog-entry-127.html
■「させていただく」の濫用にもの申す。
http://daikokukinkin.blog59.fc2.com/blog-entry-156.html
そのなかで、敬語のうちもっとも難しいのが「自分を一段低いところへ下げる」謙譲語であるとくりかえし記してきました。
そこで、一番簡単な謙譲語の身に付け方をお教えしましょう。
それは、自分のことについて「参る」「申す」「いたす」というもっとも基本的かつ汎用性の高い謙譲語の使用を心がける、ということです。
次の文を大きな声で言ってみましょう。リピート・アフタ・ミー♪
○○から参りました□□と申します。
これから、××をいたします。
はいもう一度、「○○から参りました□□と申します。これから、××をいたします。」
…へんてこりんな先生風はやめときます。
「自分を下げて語る」ことの一番緊張を強いられる場面は自己紹介だと思いますので、自己紹介の文章で身に付けておくといいんじゃないでしょうか。恥かかないですみます。
面接の学生さん、プレゼンの会社員、安い謝礼に本音では文句タラタラの講演会の先生など、いろんな場面に使えます。
※最後の一文に、微妙に私情が入ってます。
投稿日:2007-05-28 Mon
ざんき【慚愧】−する取り返しのつかない事をしたと強く悔むと共に、自ら恥じること。「−に堪えない」
一般にこの言葉は、自分のした行いに対して後悔と反省の念を表す際に用いられます。安倍首相、あなたは松岡農林水産大臣の死に際してなにを後悔し、反省しているのでしょう。「任命責任」ということですか?
しにんにくちなし【死人に口無し】
口のきけない死人は証言することが出来ない。[死人を利用して悪事をたくらんだり、死人に無実の罪をきせたりすることを表す]
ふつう、これを口にする人は悪代官かやくざの親分と相場が決まっております。伊吹文部科学大臣、まさかあなたが松岡さんを…。
※いずれも『新明解国語辞典』第6版。
上記の発言、NHK夜7時のニュースでは放送されていました。安倍発言はテロップ付きでした。NHKも知らなかったのかも。(9時のニュースではその発言は放送されませんでした)
私たちはとっさの場合、気が動転したとき、極度の緊張状態にあるとき、思わぬ言葉が口をついて出ることがあります。しかしそれが意外に本音を語ってしまう場合や、その人の教養の程度がばれてしまう場合もあります。気を付けたいものです。日頃から読書や勉学などで能力を高めておくしかないんですけどね。
松岡大臣には、哀悼の念を捧げます。そして、死を選ぶのではなく、自らの行いについて国民に明らかにして頂きたかった。そしてそのときこそ、「慚愧の念に堪えない」という言葉を自ら発して頂きたかったと思います。
投稿日:2007-05-01 Tue
8日ぶりに更新いたします。さて今回私がもの申したいのは「させていただく」という語について。
早い話が、
「「させていただく」を連発する人はキモイ」
ということです。
先週、統一地方選と同時に参議院の補選がありました。福島と沖縄。
自民・民主の1勝1敗だとか、いやもともと民主の2議席だったところだから民主の惨敗だとか、まあ評価はいろいろあります。それはどっちでも構いません。そんなに違うようにも思えないし。
私が気になったのは、沖縄の方の候補の島尻さんが当選を確定したときにNHKのインタビューで言っていた一言です。
「○○の事に関しては△△のようにお訴えさせていただいた」
?!
「お訴えさせていただいた」?!
なんじゃその気色悪い言葉遣いは?!とびっくりしてしまったのであります。
なぜ候補者は「お訴えさせていただ」くのか。
たぶんこれ謙譲表現なんでしょう。だとしたら、
「○○の事に関しては△△のように申し上げた」
あるいは
「申し上げて参りました」
でいいんじゃないでしょうか。
「大辞泉」には、「させていただく」の意味として「相手に許しを請うことによって、ある動作を遠慮しながら行う意を表す。」とあります。だとしたら、この言葉は以前このブログで提案した謙譲語の考え方、
「自分が一段低いところへ降りる」
=「自分の言動を謙譲表現にする」
そのものではないでしょうか。だとしたらいちばん適切かつ単純な謙譲語は「申し上げる」だと思います。ほら、高校の古文では「謙譲語がでたら「〜申し上げる」と訳す」という鉄則がありましたでしょ。
それか、「いたします」。たとえば「来週はお休みさせて頂きます」みたいな、動作をあらわす「させていただく」は「お休みいたします」でいいんじゃないかと。もっとも、「申し上げる」の意味で使われる「させていただく」よりは「いたします」の意味の「させていただく」はそんなに気色悪くはないような気がしますが。
そしてこのインタビューを聞きながら私が思ったことは、「ああ政治家ってのはつくづくへりくだることができない種族なのだなあ」ということ。謙譲語が身に付いていないのは誰かに対して謙譲の意を示す経験が足りないのでしょう。それに、「させていただく」という言葉が本当にその人の謙譲を表す言葉であるかどうか、私はかなり怪しく思っています。なんとなく「させて」の部分が相手に対する使役か、自分に対する尊敬語みたいに聞こえるんですよね。なんとなくですが。それに、政治家って選挙の時だけへりくだるんですよね。土下座したりして。だから、この言葉も慇懃無礼に聞こえるのでしょう。
島尻さんおひとりに責を負わせては気の毒ですから、安部晋三首相にお出ましを願うと、彼も大好きなんですね、この「させていただく」という言葉。「○○については、しっかりと、このことを、国民の皆様に対してお訴えさせていただく」とよく言ってます。
どうも、安倍首相やその同世代の政治家の人たちは頻繁に「させていただく」という語を使うようです(ほんとうに「させていただ」いているかは不明)。「まあバカっ丁寧な感じだし、こう言っておけばまちがいなかろう」という感じなのでしょう。
ちなみに最近の政治家は「しっかりと」という言葉も好きみたいです。上記のような表現は「俺の言うことにちゃんと従え」というのが正しい口語訳のようにも思えます。
あまりにまわりくどい敬語は敬意そのものを疑わせます。
シンプルに使うことと、その言葉にふさわしい態度を取ることが、素敵な敬語ライフにつながると、この場を借りてお訴えさせていただく、じゃなかった申し上げます。
投稿日:2007-02-05 Mon
ひさ〜しぶりのコクゴカテゴリ。だって本業のこと書くの
さて今回のお題は「敬語」。
タメ口に慣れている学生が、バイト先や修飾語、もとい就職後にあーだこーだ言われないように、わかりやすい覚え方=教え方はないもんだろうかと考えております。
で、試験の答案なんかで何人かから「やっと意味が分かった」と言ってもらえた方法を開陳いたします。
いま、敬語の問題は国語問題のトピックの一つです。最近は謙譲語を1と2に分けるというようなことも決まったようです。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2007020201800.html?fr=rk
リンク先の佐藤研さんが疑義を呈しておられるのが、
「申し上げる」=謙譲語1
「申す」 =謙譲語2
「です」 =丁寧語
「お○○」 =美化語
というような区分。
佐藤研さんにお手上げなら私なんぞ無理もいいところの細密区分。分析概念としては有効なのかもしれませんが、世の中の求めているのはそういうことじゃないでしょ、と。
敬語の乱れを何とかしたいと思うなら、現行の高校国語教育における「敬語を古文で教える」こと自体やめた方がいいと私は考えています。古文における敬語は敬意を読みとると言うより語り手と登場人物の位相を読みとるための分析用だと思います。敬語の乱れが問題になるのは一対一での表現である場合がほとんどでしょう。
そこで私の「一対一の場面における敬語」の教え方。
言葉の上で「敬意」はどうやって
この仕組み、実はけっこう単純です。
…というより、単純化します。だって覚えて使うんですから。
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