投稿日:2008-06-27 Fri
久しぶりのリハビリ問題。今回は医療事故に関する新聞記事です。
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http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20080620-OYO1T00222.htm?from=main2
ベッド柵で首挟み死亡、理学療法士を書類送検へ…滋賀
滋賀県東近江市の病院で2004年11月、入院中の女性(当時71歳)がリクライニングベッドの転落防止用の柵の間に首を挟まれ死亡した事故で、滋賀県警は、担当の男性理学療法士が注意義務を怠ったとして、業務上過失致死の疑いで書類送検する方針を固めた。
同県竜王町小口、無職礒田輝子さんは同年9月、脳梗塞(こうそく)などで蒲生町国民健康保険蒲生町病院(現・東近江市立蒲生病院)に入院し、左半身にマヒがあった。捜査関係者らによると、同11月2日午後4時45分ごろ、理学療法士が個室で礒田さんにリハビリ指導後、傾けたベッドに座らせたまま病室を離れた。
約1時間10分後、礒田さんが、ベッド脇にある柵(高さ約25センチ)のすき間に首を挟まれ、意識不明になっているのを准看護師が発見したが、翌日、死亡した。
県警は、礒田さんが傾斜のあるベッド上で体が傾いたはずみで、柵のすき間に挟まった可能性があるとみており、理学療法士が病室を出る前にベッドを平らにするなどの注意義務を怠ったことが事故につながった、と判断した。
遺族は05年12月、町(現・東近江市)に計2800万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こし、現在係争中。
(2008年6月20日 読売新聞)
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これだけでは具体的なことがよく分からない記事です。
普通に考えて、理学療法士に一定の責任があることはたしかだと思いますが(ナースステーションへの申し送りなどが適切に行われていたかどうかなど)、果たして理学療法士のみの書類送検が適切な処分であるかどうか。死者が入院患者であり、入院患者に対しては医師・看護その他の病院全体として診療に当たる以上、その安全は直前の担当者だけに帰せられるものではないと考えます。また、柵付きベッドに挟まれる事故についてはこれまでにも問題になってきた経緯があります。
複合的な要因によって起きた事故に対して、個人を処罰して単純化するような解決方法は、根本的な解決を遅らせ、再発防止を遅らせる結果になるのではないかと危惧します。
投稿日:2008-05-19 Mon
小倉アナウンサーが司会する朝のテレビ番組「とくダネ!」で21日、リハビリ難民に関する特集を放映するそうです。今週一週間にわたって医療崩壊の現場的な特集を組んでおり、その一環としての放映です。
投稿日:2008-05-01 Thu
ある方から次のようなお知らせをいただきましたので、より多くの人に知っていただければと思い、転載いたします。お医者さんやマスコミ関係者のみならず、医療崩壊に関心のある多くの方にお薦めいたします。下記urlに参加応募フォームがあります。--
■全国医師連盟設立集会
http://doctor2007.com/recommend4.html
全国医師連盟設立集会を6/8(日)1300時〜1600時東京FMホールにて開催します。
〒102-0080 東京都千代田区麹町1丁目7番 FMセンター
参加費2000円
定員300名
参加資格は医師新組織の結成に賛同される方。事前登録が必要です(先着順)。
医療関係者以外に一般の方、メディアにも公開します。
■主催者からの挨拶
■来賓挨拶、および挨拶紹介
■役員紹介
■設立集会プレゼンテーション(予定)
○佐藤一樹先生 【被告人の立場からみた東京女子医大心臓手術事件の経緯】
○川嵜真先生 【被告人支援者医師の立場からみた杏林大学割り箸事件の経緯】
○中原のり子様 【医師の過労と医療の改善〜あなたの子どものいのち、疲れ切った小児科医にまかせますか?〜】
○江原朗先生 【医師の長時間勤務で医療安全は低下】
○澤田石順先生 【受診制限問題に関する行政訴訟(仮題)】
○木田博隆先生 【いまこそ医師の自律性が求められているー実践的倫理と作法ー】
お医者さんの憂さ晴らしに終わることなく、明日の日本の形を考える試みになることを期待します。
投稿日:2008-02-10 Sun
先日、黒茶さんが教えてくださったNHKスペシャル「闘うリハビリ」第1夜が放送されました。冒頭、長嶋茂雄さんのリハビリ風景とインタビューが流れたので、それで注目して観たという方もいらっしゃるんではないでしょうか。第1夜の骨子は、「リハビリを通して脳内回路を開発し、それによって機能を回復させる」というリハビリの役割を多くの人に知らせようというものであると私は観ました。
その点で特に一般の人の注意を引いたのは「CI療法」の紹介ではなかったでしょうか。あえて機能が麻痺している箇所を集中的に使うことによって、脳内にバイパス回路の生成を促し、それによって機能を回復させようとするという考え方は、古いリハビリに対する概念を覆すインパクトがあったのではないかと思います。番組中、太田仁志さん(茨城県立医療大名誉教授)は「一般の医者はCI療法を知らない」とおっしゃっていましたが、医師でさえ、リハビリ=マッサージという誤った(あるいは古くさい)常識にとらわれている状況があることに警鐘を鳴らす内容を持っていたと思います。はた目にはマッサージに見えることが、実は脳内機能の生成という、重要な医療行為であることがよくわかる番組であったと思います。
なるほどなあ、と思ったのは、番組の後半で、「人間の可能性は無限大であり、回復はここまでという限界はない」という結論が導かれていたことです。つまり、脳の潜在的な自己回復力は私たちが考えているよりはるかに高く、損傷部位にもよるでしょうが、その可能性は無限大に近いということが示されていました。脳の一部を切除指してしまった若者の回復は、それを示すなによりの証でありました。
ところで、このブログでもごちゃごちゃ言ってきた日数制限問題。日数制限によって一律に患者の保険適用を打ち切る行為は、脳の自己修復機能の可能性を閉ざすことにつながるということになりゃしないかということを私は感じました。リハビリ日数制限問題で精力的な活動をなさっている道免和久氏(兵庫県立医大)はこのCI療法の専門家だそうですが、ああした活動の根底には「治るものを治さないのは許せない」と言う考え方があるのだと思います。一方、日数制限をしようとする厚生労働省の発想は、「お金を抑制したい」ということともうひとつ、リハビリに対する認識の古さが根底にあるのではないかと考えた次第です。つまり、「どうせ治らないんだからやめちまえ」という発想。
医学の進歩はめざましいし、脳の可能性は素晴らしい。その両方をよく調査し、正しく認識して判断することが重要であるということを感じる第一夜でした。今夜、N響アワーを観るなどして見損ねた方、明日もつづきがあるそうですからぜひ見てみてください。池辺先生、今日はダジャレを言ったかな…。
それはそうと、リハビリによる脳の再生に関しては
○「現代思想」2006年11月号
がためになりました。道免氏や多田富雄氏が論文を寄せています。
投稿日:2008-02-07 Thu
一時期、更新を怠っていたせいで、いろんな問題に対するフォローが遅れています。今日はリハビリ問題編。
リハビリに成果主義の導入という問題が起こっています。この問題、なかなかに専門的な部分もあって素人の私にはよく分からない部分もあるのですが、下記のサイトでは次のように説明しています。
回復期リハビリテーション病棟は脳卒中や骨折による障害者を受け入れて、日常生活機能の改善を手助けするための病棟です。軽症の方々のほとんどは自宅に退院できますが、極めて重症の患者さんの多くは自宅に戻る事が出来ずに、施設等に退院していきます。
厚生労働省は平成20年度の診療報酬改定において、回復期リハビリテーション病棟の入院料を一律に削減し、同時に数値目標で示す成果主義を導入することを意図してます。
○1月30日の厚労省の政策変更案は、急性期病院から回復期リハ病棟への入院患者の絶対数が減じる
○最重症のかたがたが棄民化する確率が増大することに加えて、MRSA保菌者、気管切開患者、抑制されている患者等の棄民化確率が増加する。
○不必要な胃瘻造設が増加する
○急性期病院の脳外病棟や整形外科病棟の在院日数が長期化する
ご本人に確認取ってませんが、このサイトをご紹介しておきます。
私もこの春休みの勉強課題としたいと思っています。
http://homepage1.nifty.com/jsawa/medical/
さらに、4月からまた新たな制限策が画策されています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0130-11j_0001.pdf
これによれば、リハビリの日数制限はそのまま。それ以上の日数を実施する場合は、月に13回まで。あとは、自費で診療を受けろと言うことになります。
これを「医療破壊・診療報酬制度・介護保険問題を考える」では次のように記しています。
療養病床における回復期が遅れている入院患者のリハビリテーションは、発症から6か月をすぎると、1か月に20分×13単位で終了になります。つまり、1日6単位やれば、残りの28日は寝たきりで良い、ということ。
回復が遅れているのは、自分のせいではないのに、回復期が遅い人は1か月に28日は自費でリハビリしなさい、というのがメッセージでしょうか??
おそらく、そうなんでしょう。日数制限の問題で騒がれたという理由で除外規定を付けた。今度は除外規定の基準でもめたという理由で除外規定を削った。
どこまで、厚生労働省は場当たり的なのか。ニワトリは三歩歩くと前のことを忘れると言いますが、一昨年の問題点を忘れて昨年の問題点を解消しようとして、一昨年の状態に戻してしまう、ということになります。なるほどこうやって薬害問題などを引き起こしてきたのですね。。。
それから、多田富雄さんの著書2冊、紹介しておきます。
○「寡黙なる巨人」(文藝春秋)
○「わたしのリハビリ闘争 最弱者の生存権は守られたか」(青土社)
これも課題図書だな。。。
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